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2022.09.26

ピロリ菌除菌後の胃がんは少なくない

ピロリ菌という細菌が胃がんに関与しているということは、なんとなく聞いたことがあるかもしれません。
胃がんの原因は、塩分摂取過多、タバコ、アルコール、加齢、遺伝的要因なども関与していますが、主因はピロリ菌感染です。ピロリ菌感染者は未感染者の150倍とされています。除菌をすることで胃がんのリスクが3分の1くらいになるということがわかり、2013年からピロリ菌感染胃炎に対して除菌治療が行われてきました。

患者さんと話していると、ピロリ菌の除菌に成功したら、胃がんができなくなると思っている方がそれなりに多いです。これは我々医師の啓蒙不足かと反省するところでもあります。
胃がんのリスクは低下しますが、リスクがゼロにはなりません。胃の粘膜はある程度回復しますが、もともとピロリ菌がいない胃とは違うと思ってください。

除菌後でも年率0.35%と高率に胃がんが発生します。早期胃がん内視鏡切除後には、除菌後も年率3~5%とさらに効率に胃がんが発生します。つまり胃がんを患った方は、胃がんが(再発ではなく)新たにできる可能性を秘めているので慎重な経過観察が必要です。

ピロリ除菌後、定期検査は必要でしょうか。必ず定期的に胃カメラを受けてください。ピロリ菌がいる人、ピロリ菌を除菌した人の全員が胃がんに罹患するわけではありませんが、万が一胃がんが出来た場合に、バリウムで早期発見することは極めて困難です。胃カメラであっても、除菌後にできた胃がんを早期発見するのは非常に難しいのです。

実は、除菌前より除菌後の方が胃がんの早期発見が難しいことがあります。少々専門的なことを言うと、胃がん自体の形態変化、腫瘍の表層に非腫瘍性上皮が覆うなどの変化を起こし、腫瘍の範囲や生検診断の難しい病変が40%程度みられるといわれています。そのような理由から、私は、ピロリ菌除菌前の観察を重要視しています。除菌後は除菌後で慎重に観察しています。

除菌後に胃がんのリスクが下がりますがゼロにはならないこと、除菌後胃がんの早期発見が難しいことがあることから、除菌後も年1回程度の胃カメラを受けることをおすすめします。

また、もう一点お願いがあります。
ピロリ菌の除菌治療を受けた後に、除菌治療が成功したか判定を受けていない方が一定数いらっしゃいます。判定は、基本的に最初のピロリ菌の存在診断をしたときと同じ検査で行います。

ピロリ菌の1次除菌治療で成功率は90%です。逆に10%程度は1次除菌で失敗しています。除菌成功後に定期的に胃カメラを受けることも勿論大切ですが、それ以前に除菌が成功しているか否かを確かめることはさらに大切です。

まとめ
ピロリ菌除治療後は・・・
① 除菌が成功したか、必ず判定検査を受けましょう。
② 除菌成功後は、定期的に胃カメラを受けましょう。

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