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2022.09.09

胸やけがつらい。食道炎?

胸やけを訴えて受診される方が増えています。
当院に来院される理由で、もっとも多い症状かもしれません。

医学的なことをいうと、胃食道逆流症(GERD)のうち、自覚症状があるけど食道の粘膜がただれていない非びらん性胃食道逆流症(NERD)と食道の粘膜がただれている逆流性食道炎に分類されています。逆流性食道炎は、必ずしも自覚症状があるわけではなく、ただれが軽度でも症状が強い場合、ただれが高度でも症状が軽い場合など様々です。
受診される方は、NERDの方か自覚症状のある逆流性食道炎の方です。

では、どのような症状が出るのでしょうか?
胃酸が食道に逆流することで、胸やけ、げっぷ、のどの違和感などの症状をきたします。症状の強い人は、夜間に覚醒してしまう、日中も胸やけでなにかに集中できないなどを訴える方もいます。
最近は、ネットで調べて、食道炎かな?と思って来院する方もいますが、中には「胸が痛い。心臓が心配・・・肺が心配・・・。」などと訴えて来院する方もいます。

検査は?治療は?
症状だけで、ある程度診断の予測はできますが、ほかの病気が潜んでいる可能性もあります。内視鏡検査(胃カメラ)で確認することが望ましいのですが、緊急性がなければまずは薬を飲んで、良くならなければ内視鏡検査を受けるという手もあります。ただ、繰り返しにはなりますが、ほかの病気が潜んでいる可能性を否定できないため、内視鏡検査を受けることを強くおすすめします。
逆流性食道炎と診断された場合に大切なことは、薬物療法もさることながら、生活習慣などの改善です。具体的には、おもに①寝る前の食事や飲酒を避ける②姿勢を正す③肥満の解消、です。
ご高齢の方は筋力低下からどうしても猫背気味になります。簡単な筋トレや散歩等で筋力維持に取り組むことも有効です。ただし、絶対にどこかが痛くなるほどの無理をしないでください。私もそうですが、特に男性はムキになって怪我をすることがあるので要注意です。また、体重が増えるとおなかに肉がついた分、腹圧が上がり、胃酸が逆流しやすくなるので体重コントロールも大事な治療です。ほかにもさまざまな要因がありますが、以上3点は特に気をつけると症状が改善する可能性があります。
ご高齢の方は、食道裂孔ヘルニアといって、食道と胃の分かれ目(括約筋)が緩むことで胃酸や食べたものが逆流しやすくなる状態になっていることが多いです。この場合は、生活習慣の改善だけでは症状のコントロールが難しいため、胃酸の分泌を抑える薬が必要になります。症状によっては数種の薬の組み合わせで症状の改善を図る必要があるため、根気よく長期の治療が必要になります。

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