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2022.09.05

帯状疱疹ワクチンに関して

帯状疱疹の痛みや後遺症に苦しんでいる人を間近で見た方は、絶対に帯状疱疹になりたくないと思っていると思います。50歳以上の人にとっては、他人事ではありません。実際に開院してたった2か月のうちに、帯状疱疹に罹った方を数名診察しています。

そもそも帯状疱疹とは??
帯状疱疹は、過去に水ぼうそう(水痘)に罹った人の体内(神経節)に水痘帯状疱疹ウイルスが眠っており、免疫力が落ちると再活性化して、神経に沿って発疹ができます。

国立感染症研究所のデータによれば、成人の約9割が既感染で、帯状疱疹を発症するリスクがあります。80歳までに1/3の方が帯状疱疹を発症すると言われ、その2割が帯状疱疹後神経痛に悩まされるとされています。さらに問題なのは発症する部位によっては、視力低下(失明)、難聴、顔面神経麻痺などの難治性の合併症を招きます。

そこで、発症や重症化を予防するために投与するのが【帯状疱疹ワクチン】です。

帯状疱疹ワクチンは、弱毒生水痘ワクチン「ビケン」シングリックスの2種類があります。
弱毒生水痘ワクチン「ビケン」は、弱毒化されたウイルスが含まれている生ワクチンで、小児の予防接種で使用されるワクチンと同じです。

なお、弱毒生水痘ワクチンは、以下の方は投与できません。

  • ステロイド、免疫抑制剤などの免疫を抑制する治療を受けている人
  • 発熱している人
  • 悪性腫瘍、免疫抑制状態の人
  • 妊娠中の人(ワクチン接種後2か月間は妊娠を避ける)
  • 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがある人

どちらを打つかは、それぞれの価値観や予算により判断されますが、判断材料として以下にデータを記載します

弱毒生水痘ワクチン「ビケン」 シングリックス
特徴 弱毒化生ワクチン 不活化ワクチン
持続期間 5年間 9年以上
発症予防効果 約51%減少 約97%減少
(70歳以上で約91%減少)
神経痛予防効果 約66%減少 約88%減少
副反応 疼痛、倦怠感、発疹など 疼痛、発熱筋肉痛、倦怠感、頭痛
費用(当院 税込み) 8,400円 22,000円
回数 1回 2回

どちらを打ったらよいのか?
一長一短あるので迷いますよね。簡単にまとめると以下の通りです。

  • 高い予防効果を期待したい ⇒ シングリックス
  • 値段を抑えて、ある程度の予防効果を期待したい ⇒ 弱毒生水痘ワクチン「ビケン」
  • ステロイドや免疫抑制剤などの免疫低下を招く治療を受けている ⇒ シングリックス
  • 副反応が心配 ⇒ 弱毒生水痘ワクチン「ビケン」>シングリックス

この記事を最後まで読んでいただいた方は、それなりに帯状疱疹予防に興味を持たれていると思います。

「100%ではないけど、発症予防効果が高いのであれば、奮発してシングリックスを打ってみよう」「帯状疱疹の予防をしたいけど、予防にそこまでお金をかけたくない」など、様々なご意見に対応いたします。

どちらを打っても一定の効果はありますし、どちらが正解ということはありません。
興味のある方は、ぜひご相談ください。
なお、薬剤を取り寄せるまで数日要するため、接種日は完全予約制になります。

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