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2023.04.17

バレット食道・バレット食道がん

バレット食道・バレット食道がん

 

胃カメラを受けたときに、「バレット食道」と書かれて(言われて)、理解している方は少ないと思われます。

バレット食道について、ネット等で調べると「バレット食道→食道がん」のような構図にとらえてしまいそうな記載も多く見受けられます。

 

では、バレット食道とは?

専門的なことになりますが、通常の食道粘膜は扁平上皮、胃粘膜は円柱上皮という別の粘膜からなっています。胃酸や胃内容物が食道に逆流して炎症を起こすと逆流性食道炎が発症します。炎症が起こると、粘膜がただれ、それが治る過程で通常の食道粘膜の部分が胃と同じ円柱上皮に置き換わります。これをバレット食道といいます。

バレット食道は、無症状のことも多く、内視鏡を行わないと診断が不可能です。バレット食道と一括りに言っても、3cm未満のSSBEshort segment Barrett’s esophagus:ショートバレット)と3cm以上のLSBElong segment Barrett’s esophagus:ロングバレット)に分類されます。日本人にできるバレット食道のほとんどがSSBE(ショートバレット)です。LSBE(ロングバレット)から発生するがんは年間0.21.4%との報告がありますが、日本人のLSBE罹患率が0.3%程度であることを考えると、「バレット食道→食道がん」とするのは言い過ぎだということがわかります。

ただし、LSBEと診断された方は、必ず定期的(年1回程度)に内視鏡を行うべきだと思います。しかし、SSBEからがん化することは非常に稀です。

SSBEに関しては、あいまいな言い方しかできませんが、実はSSBEは、消化器内科の医師によっては、軽度であれば診断していないケースがあります。よって罹患率もがん化率も確かではありません。報告にもよりますが、日本人のSSBEの罹患率は1040%程度とされており、稀な疾患ではありません。

つまり、バレット食道と診断されてもSSBEであれば、さほど気にする必要がないと考えて結構です。ただ、食道炎が持続するとバレット食道の範囲が広がる可能性があり、一般的に炎症が持続している部位にがんが発生しやすいため、ある程度の頻度で内視鏡を受けた方がよいでしょう。

 

~まとめ~

・バレット食道はSSBELSBEに分類される。

LSBEと診断された方は、年1回の胃カメラをおすすめします。

SSBEと診断された方は、食道炎にならないよう、あるいは食道炎が悪化しないよう生活習慣改善につとめることを心掛けましょう。

 ※生活習慣の改善=暴飲暴食を避ける、運動療法で肥満解消・予防など。

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