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2025.05.07

大腸がんの予防(2次予防について)

がんの1次予防とは、がんにならないように注意することです。がんの2次予防とは、定期的に検査を受けて、早期発見・早期治療で完治させることをいいます。

具体的に言うと大腸がんの1次予防には、禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、身体活動(運動)、適正な体形を保つなどが有効です。

今回はおもに大腸がんの2次予防に関して説明します。

大腸がんの多くは、もともと良性のポリープ(おもに腺腫)ががん化することが多く、大腸ポリープを切除することが、大腸がんの予防につながります。

大腸がんの発生経路
大きく分けて二つの流れがあります。

① 良性のポリープ(腺腫、鋸歯状病変)の一部ががん化し、放置しておくと進行がんになります。医学用語でAdenoma-carcinoma sequenceといいます。この場合は、増大速度は比較的ゆっくりのことが多いとされていますが、放置することは得策ではありません。内視鏡の施行経験が多い医師が拡大観察をすれば(当院でも行っています)、その時点で癌化しているか否かをある程度判断することができます。その時点で良性であっても、がんになり得るポリープを切除することが、今後のがんの予防になります。また、小さいポリープのうちに切除すれば内視鏡で日帰り手術が可能ですが、大きくなってしまうと、良性であっても入院して切除する場合があります。

② もう一つは、「de novoがん」といって、正常粘膜にがんができる、つまり、がんから始まるタイプです。大腸がんの20%程度がこのタイプとされています。例えば、3年前に大腸カメラを受けたときに何もなかったのに…などということがあるため、ある程度の年齢になったら、定期的に大腸カメラをおすすめするのはこれが一番の理由です。かといって、毎年大腸カメラを受けるには受ける側の負担が大きいため、目安としては、50歳以上であれば、何も異常がない人でも3年に1回程度は大腸カメラを受けることを推奨しています。ただし、その間に健診等で便潜血陽性になった場合、下痢が続く、急に便秘になった、血便が出たなどの症状があれば、その限りではありません。

いずれにしても、大腸がんは早期発見できれば、完治できる可能性が十分あります。しかも検査(大腸カメラ)で発見しやすいがんのひとつです。
繰り返しになりますが、早期発見のため、便潜血陽性になった人は必ず、そうでない人もある程度定期的に大腸カメラを受けることをおすすめします。

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