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2025.12.09

肺炎球菌ワクチン(キャップバックス®)

65歳の方は肺炎球菌ワクチンが公費の対象になるため、肺炎球菌ワクチンのことはご存じの方、あるいは既に接種した方は多いと思います。公費の対象になる肺炎球菌ワクチンは、ニューモバックス®という23価のワクチンです。

そもそも肺炎球菌って?
肺炎球菌は細菌で、その名の通り肺炎を起こすことが多いのですが、侵襲性肺炎球菌感染症といって、菌血症、髄膜炎などを起こすことがあります。肺炎だけであれば致命率は5~7%ですが、菌血症や髄膜炎になってしまうと、致命率が20%に達してしまいます。
また、肺炎の原因菌としては、肺炎球菌が最も多く、肺炎全体の20%を占めると報告されています。

肺炎球菌の表面を覆う莢膜と呼ばれる構造の違いにより90種以上の血清型に分類されています。ニューモバックスは23価肺炎球菌ワクチンで、23種類の血清型に対応しています。
今回ご紹介するキャップバックスは21価肺炎球菌ワクチンで、21種類の血清型に対応しています。では、ニューモバックスの方がいいのでは…と思うかもしれません。

侵襲性肺炎球菌感染症の原因となる血清型に対する各ワクチンのカバー率
成人の侵襲性肺炎球菌感染症の原因となる血清型に対する各ワクチンのカバー率(2024年)は、侵襲性肺炎球菌感染症の原因となった血清型に対するキャップバックスのカバー率は80.3%でした。23価のニューモバックスより21価のキャップバックスの方が多くの血清型に対応しているということになります。血清型分布をみると、既存のワクチンに含まれていない血清型を含んでいるためです。なお、PPSV23はニューモバックスです。

ニューモバックスとの違い
・キャップバックスは原則1回の接種で長期的な免疫持続が期待されています。
・侵襲性肺炎球菌感染症の原因となる血清型に対するキャップバックスのカバー率が高い。

2025年9月30日に日本呼吸器学会、日本感染症学会、日本ワクチン学会の合同委員会が、65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種の考え方を発表しました。
流れとしては、
・ニューモバックス未接種者は定期接種を行い、1年以上あけてキャップバックスを接種する。
・ニューモバックスの再接種を原則として選択しない。
・ニューモバックス未接種者で定期接種の対象者でない場合は、キャップバックスの任意接種も考えられる。

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