薬との相互作用がある薬について説明します。
有名なのは、グレープフルーツジュースとカルシウム拮抗薬(降圧剤)、納豆とワーファリン(血をサラサラにする薬)ですが、ほかにも気を付けなければならない飲み合わせがありますので、いくつか列挙します。
【カルシウム拮抗薬(アムロジピンなど)】×【グレープフルーツジュース】
【脂質異常症治療薬(スタチン系の一部)】×【グレープフルーツジュース】
グレープフルーツジュースに含まれているフラノクマリンという物質が、薬の代謝(CYP3A4という代謝経路)を弱めるため、薬の血中濃度を上げてしまうことがあります。グレープフルーツジュースは、すべての降圧剤に影響するわけではありません。
スタチン系薬剤のなかでも、シンバスタチン(リピトール)、アトルバスタチン(リポバス)はCYP3A4という代謝経路で代謝されるため、注意が必要です。
【ワーファリン】×【納豆・クロレラ食品・青汁】
ワーファリンは血液凝固に関わるビタミンKの働きを阻害する作用があり、血液をサラサラにする薬です。納豆に含まれるビタミンKを摂取することで、ワーファリンの効果を弱めてしまいます。大豆にはビタミンKは含まれておらず、納豆菌で大豆を発酵させるとビタミンKを作り出されます。よって、豆腐、豆乳などの納豆以外の大豆食品にはビタミンKは多く含まれていません。
【テオフィリン】×【カフェイン】
テオフィリンは喘息の治療で処方されることがある薬です。
テオフィリンとカフェインは代謝経路が競合するため、テオフィリンの血中濃度が上昇する可能性があります。
【ニューキノロン系抗生物質(レボフロキサシンなど)】×【牛乳】
【ビスホスホネート製剤(ベネット、ボナロンなど)】×【牛乳】
【酸化マグネシウム】×【大量の牛乳】
牛乳だけでなく、ミネラルウォーターも、それに含まれるカルシウムと薬がキレートという構造を形成してしまうため、薬の吸収を低下させます。酸化マグネシウムに関しては、さほど気にしなくてもよいとも言われています。
【睡眠導入剤(睡眠剤)】×【アルコール】
睡眠薬の薬を増強させますので、絶対に避けてください。
【チーズ、ワイン】×【イソニアジド(抗結核薬)】
結核の治療で使われるイソニアジドは、チーズやワインなどに含まれるチラニンの分解が阻害されるため、動悸、頭痛、呼吸困難などの症状が出ることがあります。
今回は飲食品と薬の相互作用を挙げましたが、薬と薬の相互作用(併用禁忌あるいは注意)もあります。普段服用している薬と相性が悪い飲食品や薬をご自身でも把握しておくことは大切です。





